ゆらゆらと揺れる海の彼方(9)
ちょっと失礼な言い方になってしまうけど、ちゃんと政治劇も書けるじゃん。正直、第1部のローデウェイクの面々は居酒屋の政治談議レベルで言いたいこといってるだけという感じだったけど、9巻は実に濃かった。騙し合い、軍事力、プライド、虚々実々な様々なものを掛けて折衝を続ける様が実によい。初っ端の人形芝居は見事に引っかかってしまったし。まぁいろいろ端折り気味ではあるけども、ライトノベルにあるまじき見事な政治劇でした。なんかすっか忘れかけてたノウラのイベントがしかけられてたのはご愛敬か。
次の巻で過去編が終わってしまうのが実に惜しい。
それにしても今回のヴァレーリアといい、バストーニュのエレディアといい、実においしいところをもってくなぁ。やはり悪役こそかっこよくあるべきだと思う。
けど、これ読み終わった後だと「ウェスタディア」とかちょっと受け付けられない。対象年齢が違うと割り切るしかないか。
- 作者: 近藤信義,えびね
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 文庫
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