薔薇色にチェリースカ

中世風の全寮制学校に、剣戟による決闘って、ウテナかよと一瞬思った。しかし、登場するキャラが多い割には全般的にキャラの掘り下げが浅い気がする。銀盤の時はフィギュアという素材と上手く組み合わさっていた演出重視っぽい作風なんだけど、それが悪い方向に向いてしまっている。特に主人公に真剣味やら前向き加減がもの足りない。決闘もわざわざ受けておきながら勝算も無く逃げ回っていただけだし、思わず「何が楽しくて生きてるの」と聞きたくなってしまう。まぁ妹の幸せだとでも答えが返ってきそうだが。こう共感も感動もしない主人公は久しぶりだなぁ。メインヒロインのチェリースカにしても見せ場はちょこっとあったが全般的に空気だし。
むしろポイントポイントでの出番しかない理事長の方が人間味に溢れててはるかに魅力的だったり。ぜひラストのイラストページの展開はやってほしいところ。
理事長の今後の活躍に期待。

薔薇色にチェリースカ (薔薇色にチェリースカシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

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