円環少女3煉獄の虚神(下)

円環少女(サークリットガール) 3
著:長谷敏司/イラスト:深遊
発行:角川スニーカー文庫(角川書店)
ISBN:4044267057
評価:★★★★


刻印魔術師としての誇りにかけて、相似大系高位魔導師グレン・アザレイとの対決を決意したメイゼルは、戦いを止めようとする専任係官・仁に別れを告げ、独り戦場へ向かう。協会が仕掛けた必殺の罠を圧倒的な実力で突破してみせた《神に近き者》グレンは、地球を魔導師の世界とするために、人類六十億の殲滅をメイゼルたち刻印魔導師に宣言した!消せぬ罪を背負い、運命に抗い続ける少女魔導師の、灼熱のウィザーズバトル第3弾!

長谷敏司らしからぬハイペースで刊行される本シリーズ。
既刊が読みにくいと思った人は今作はますます読みにくいのではないでしょうか。相似大系、円環体系はまだ分かるんですが、完全大系や再現大系が良く分からないんで。
前巻で決別してしまったため、教室でのやりとりがあまりなく、メイゼルのSの部分が見られなくなって残念。
グレンの人を寄せ付けぬ強さ、その強さを前にしても気後れしないメイゼルの気丈さもよかったんですが、その分戦闘が演出方向に傾倒してしまいましたが、1巻で見られた物悲しさは、平行して描かれた人との繋がりを求めずにはいられなかったネリンをテーマに描かれており補完されてて楽しめました。
今後の伏線がずいぶん出てきたので続巻にも期待が持てます。とりあえず妹についての情報をもう少し出してほしいかと。仁がメイゼルに固執する、なた京香が仁に心を配る物語の核心となりそうな部分じゃないかと思うんで。
後、今巻ではちょっと誤字脱字が目に付いたんでもう少ししっかりした校正を。