からくりの闘姫

からくりの闘姫
著:九品田直樹/イラスト:高木信孝
発行:スーパーダッシュ文庫集英社
ISBN:4086303280
評価:★☆


江戸時代から続く人形職人の家に生まれた高校生モデラー・播磨神護は、夜の秋葉原で壊れた人間サイズの球体関節人形と出会う。それを拾って徹夜で修理した神護だったが、何と人形が一夜明けたら人間の美少女に? 「ひな」と名乗るその少女(人形?)との出会いが、神護を不思議で壮絶な戦いへと巻き込んでいく……過去の因縁と忌まわしき存在に、ひなと神護はどう立ち向かう!?

作者の興味のある部分はくどすぎるくらい描かれているのですが、全体的にはむしろ描写不足。おかげで話がどうにもありがきな展開とご都合主義な結果に終始してしまっていて、先を読みたいという気分になれなくて。「街」やら「人形」の謂れやらにリソースをぶち込むならば、「へぇー」と思わせるくらいの説得力が欲しいところですが、ここでもなんか腰砕けの感じで「東照大権現」なんか持ち出されても「アイタタタタ…」と痛々しい。どうも全体的に妄想レベルから抜け出せていない感じがします。
バトルシーンもいまいち。ラストバトルではもうまともに読む気がうせて思わず飛ばしてしまいました。
あとストーリーが動き出すのがP120辺りからだと思うんですが、250ページの小説としては遅すぎやしないでしょうか?
もう少し構成とページ配分に気を配ってほしいところです。