我が家のお稲荷さま(6)

我が家のお稲荷さま。 6
著:柴村仁/イラスト:放電映像
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840236046
評価:★★★


冬休みのある日。
ひと助けと無料ケーキを目的に、ミニスカのコスチュームに身を包み、ケーキ屋さんの客引きをするクーとコウ。
一方その頃、昇は見知らぬ黒ずくめの人物に「やっほー」と声をかけられ、鈴ノ瀬の町を案内していた。
そしてさらに、透とコウはお金持ちそうな老人と知り合い、お屋敷に招待されて……。
全く関係なさそうなそんな出来事が、思いがけない方向へと……。
でもやっぱりほのぼのな、現代のお伽噺第6弾!!

このシリーズ、今まで読んできましたが、相変わらず透と昇のストーリーが噛み合っていないように感じています。コウも透側についていますし、今作での昇の出番は佐竹と宮部を出すためだけのようなものですし、むしろ話のテンポを悪くしてると思います。
名目上は昇が三槌家の当主になってますが、妖怪ネタはほぼ全て透が担当していますし、今はコウも透側についているんで、もう昇はサブキャラ扱いでも…。ただ小学生が主人公だと、感情移入に難があるのはどうしようもないですし、ラブコメ分もなくなってしまうんですが。けど今のストーリーが2分割されて互いに内容が薄まっているような状態よりはマシだと思うんですけどね。
同様の構成はファミ通文庫の「吉永さん家のガーゴイル」にも見られたんですが、あちらは妹を完全にメインキャラにし、兄はサブキャラ扱いとして、どっちつかずの状態からの脱却に成功し、正統派お伽噺への移行に成功しているわけで。
うーん、兄弟ともにメインをはらせるのなら、もう少し互いの話が絡み合うような展開にしてほしいもの。ラストになって実は…なオチは個人的にあまり好きではないので。