紅 〜ギロチン〜


紅

著:片山憲太郎/イラスト:山本ヤマト
発行:スーバーダッシュ文庫集英社
ISBN:408630290X
評価:★★★


駆け出しの揉め事処理屋・紅真九郎にきた一通の電話。それは、商売敵である悪宇商会からの勧誘だった。一度は応じた真九郎だが、最終課題に出されたのは、なんと暗殺計画への参加。標的となるのは、一人の病弱な少女。真九郎は当然のごとく拒否し、交渉は決裂、そして暗殺阻止へと動き出す。
しかし、踏み込んだ闇はあまりに深かった。立ち塞がる悪宇商会の殺し屋・斬島切彦。その恐るべき刃は、真九郎と紫の仲までも引き裂き、さらなる窮地へと追い詰める……!

うーん、やっぱり紫が引っ込んでしまうとどうにもならないですね。紫が行動の目的を持ち、真九郎が実行を担当する、ちょうど「電波的な彼女」のジュウと雨の立ち位置が逆になっているわけで、これで紫が出てこないと、真九郎は力はあるのに行動しないただのヘタレに成り下がってしまってる…。少年一人の悩みのためにはこんな陰惨なシーンはちょっと過剰すぎないかと。
いや女性陣はすごくいいんですよ。紫にしろ、夕乃にしろ、銀子にしろ。全員が目標を持って生きてるって感じもして。
けど、やっぱり「電波的な彼女」が先に出てるが故に、「紅」を絶賛は出来ないんですよ。
力がないためにあがき続けるジュウに比べると、真九郎には今ひとつ魅力を感じなくて。
そろそろ「電波的な彼女」の続きをお願いしたいところです。