レジンキャストミルク3・4

レジンキャストミルク 3
著:藤原祐/イラスト:椋本夏夜
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840234353
評価:★★★★


死んだはずの姫島姫の姿で、突然現れた【無限回廊】に、硝子は生まれかかった感情を激しく揺さぶられる。
 戦いへの迷い。硝子は主人であるはずの晶にさえ、友達が敵になってしまったことを言えずにいた−。
 そして、晶と硝子との間に見えない亀裂が広がっていく中、【無限回廊】は姫島姫の身体を使って次の一手に出る。計画の主軸は直川君子。
 それは同時に【壊れた万華鏡】舞鶴蜜の過去にも関わる、これまでで最悪の侵蝕だった!
 ほのぼの×ダークな学園アクションノベル、緊迫の第三弾!

レジンキャストミルク 4
著:藤原祐/イラスト:椋本夏夜
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840234523
評価:★★★☆


二年前。それは舞鶴蜜がまだ、速見蜜という名前だった頃。
 ひとりぼっちだった彼女は、直川君子と出会った。無邪気で朗らかな君子は、空っぽだった蜜の心をあっという間に埋めていく。
 生まれて初めての友達。ずっとこの娘と一緒にいたいと、蜜は強く願っていた。
 −虚軸【壊れた万華鏡】が、自らの裡に取り憑くまでは。
 そして、二年後。現在。
 かつての親友を【無限回廊】に連れ去られた蜜は、硝子を奪われた城島晶と共に、反撃のため立ち上がる。
 ふたりは果たして、それぞれの大事なものを取り戻すことができるのか!?

2巻連続の口絵のプリン王国は気合入りまくり。3巻での晶と硝子の日常も面白かったが、4巻ではちょっと御都合主義入りまくりでかなり肩透かし。けれど全ては舞鶴蜜のためのストーリーだったと思えば何の問題もなし。全ては4巻P261のために。真紅の海に沈む黒ゴスの舞鶴蜜、対して薄汚れてはいるが天使のような直川君子。実に絵になりますなぁ。勝負服に黒ゴスというのは椋本さんのアイデアでしょうか。
無理に関連のない2人の虚軸を出して、2分冊のボリュームとしてまでやらなくても、舞鶴蜜メインで晶には引っ込んでてもらえば、蜜と硝子でそれぞれ1冊程度に収まった気もしますが、第1部完ということでどうも一気に片を付けてしまったような気がするのが残念です。
それにしても、無限回廊ってもう少し絶対的な存在かと思っていたんですが、意外に矮小?おまけに鬱作家と聞いていたのにここまでハッピーエンドとはちょっと驚き。