SHI-NO アリスの子守唄

SHI−NO
著:上月雨音/イラスト:東条さかな
発行:富士見ミステリー文庫富士見書房
ISBN:4829163534
評価:★★★


「じゃあ、帰ろうか」
 週に一度の銭湯の帰り。志乃ちゃんは、無言で僕の隣に並ぶ。自然に。ごく、当たり前に。
 他者との接触を恐れているわけでは無いのに、他者との接触を求めていない−そんな彼女が、どうして僕の傍に居続けているのか−。
 聞いてみたい気もする。
 でも、聞いてはいけない気もする。
 どちらが正解なのかは分からない。
 だから今は待とうと思う。
 彼女がそれを語ってくれるその日まで。
 支倉志乃。無口な小学五年生。
 僕の妹−みたいな、大切な存在。
 願わくば、君の見る夢が、この世で最も美しいものでありますように−。
 猟奇事件に興味を示す、ダークでクールな小学生の志乃ちゃんと大学生の僕との純愛系ミステリー第二弾!

超探偵シノシノの2巻。証拠も集めず(情報は集めるが)、犯人も追い詰めず、おもむろにシノシノが容疑者の前に登場、そして「貴方が、犯人ですね」<<ドドーン。っと、これってミステリー?GOSICKもミステリーと言い難いけど、一応事件を解決しようとしてるのに比べて、こちらは事件の雰囲気はミステリーっぽいけど事件を暴けども裁かずだから、どちらもミステリーというには何か足りない気がする……、と普段ミステリーものを全く読まない自分は感じるんですが、その辺他の人は同なんでしょうか?
intermissionであろう「微笑…」なんて、情報を犯人のモノローグから引っ張って来てるってどういうこと?シノシノはテレパシストですか?
本編の悪夢と破壊活動の同時性が解決されていないと思うんですが、その辺はスルーなんですかね。まぁ何か、犯人とかはほぼ想定通りで期待を裏切ってはくれなかった分、シノシノと「彼」との生活に割かれるページが増えてるんで、次でどこまでミステリー分が薄れるのか楽しみです。
それにしてもシノシノが「彼」をどう見ているのかいまいちつかめない感じですね。やはりキララが言ったように、シノシノには絶対打てない”一手”を打てるところに価値を見出しているんでしょうか。「彼」との時間も「退屈」と表現しているところから恋愛には発展しないと思っているんですが、「L・O・V・E!はミステリーです」(by 富士見ミステリー)とかいうオチになってしまったらどうしよう。

そう、アリス人形というのが結局良く分からないんですが、アリスの格好(エプロンドレス)をした人形ってことでいいのかな?ググっても、アリス・マーガトロイドばかり引っかかるんで。