ノルマルク戦記3 罪と罰の迷宮

ノルマルク戦記 3
著:赤城毅/イラスト:小河原亮
発行:スーパーダッシュ文庫集英社
ISBN:4086302896
評価:★★★☆

先月1、2巻が出てたのに気づかず、今月やっと買ったんですが、ほとんどの書店に1,2巻がないんですが。3巻から読んで分かるもんでもないんだから。結局既刊は普段利用している書店10店のうち1店にしかなかった(その書店では各2冊づつ棚ざししてあった)。
SD文庫の棚はなかなか取ってもらえないかもしれないけど、せっかく毎月出すんなら、積極的に既刊を置いてもらわないと売り上げ的に尻すぼみにしかならないんでは。
騎兵の急襲戦術が出てくるころだと、時代的にはフランク王国ぐらい?巻頭の地図はフランドル地方にしかみえませんが。けどドイツ語の専門家が書いてるだけあって人名、地名は基本的にドイツ語に統一されていてそれだけで私的に安心して読めます。どこぞのスペースオペラのように天才とバカばかりというわけではなく、スーパーマンはおらず(けどギルゼンスターン兄弟は超人ぽいなぁ)、また単なる愚鈍なものもおらず、戦記ものとして十分楽しめます。
1巻では人物設定と世界観の説明、2巻では始めて軍勢を率いての戦闘、3巻では自分が率いてきた軍勢が軍隊の一部として、道具として使われるという展開。
3巻はユリウスとパッシェンダール中心の話、なんだけど第一皇子のベルモンと、軍師ヴァシュラフェルがそれ以上に怪しすぎ。結局ヴァシュラフェルの策がどこまで考えられたものだったのか良く分からなかったんですが。もしかしてこの2人は通じているのか?そうでないとあそこまで読み切るのは無理だったんでは?
結局デミアンに大損害を与えられるんですが、それはユリウスの甘さのため。もう少し音になってくれることを期待。
それにしてもベルモンの策が分からん。手持ちの軍勢の半分を無駄にすりつぶしてどうしようというんだろう。その辺、今後の展開が楽しみです。