私たちの田村くん(2)

わたしたちの田村くん 2

著者:武宮ゆゆこ/イラスト:ヤス
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840231524
評価:★★★★


 松澤小巻。進路調査票の志望校欄に「故郷の星へ帰る」と書き続ける不思議少女。中学三年の夏、田村くんを魅了し翻弄し、その心をとらえたまま家庭の事情で遠方へ去る。
 相馬広香。孤高の美少女。でも少し寂しがりやの意地っ張り。高校一年の春、罵りあったり励まされたりした末、田村くんのファーストキスを奪う。
 そして奇しくもそのキスと同じ日、久しく音沙汰のなかった松澤から届いた一通のハガキが波乱を呼ぶ−−。はたして三人の恋の行方は!?
 おかしくてちょっと切ない、あなたのツボにくるラブコメディー第2弾!

 うーん、1巻の時ほど面白くなかった気がする。1巻は2話構成でそれぞれの女の子に猪突猛進とも言うべき熱血さで田村くんが突撃をかけた分、それぞれの話の密度がすごく高く感じてたんだけど、今回は女の子2人が直接顔を合わせはしないため、互いの事情が錯綜気味で、おまけに田村くんは悩んでばかりで行動しないし、話の流れは冗長気味だし、ちょっといまいち。というか2巻では相馬さんが一方的に分が悪いんですが。
 なんか後書きではコレで完結だとのこと。松澤さんは無口すぎるし、相馬さんは熱血気味(田村くんに対してのみ)で、当初のキャラ感から大分ズレてきているので、このまま続けてももう1巻のような小気味よさはなさそうなので、新シリーズで仕切りなおすのもいいと思う。ただそれなら話がまとめきれたわけではないんで、どうしても2巻は蛇足にかんじてしまうなぁ。