「エロゲではヒット作の次回作の売り上げが伸びるけれど、ラノベの場合はそういう話をまず聞かない」ことについての個人的なまとめ

問題提起
好きなら、言っちゃえ!! 告白しちゃえ!!/2007/1/11

▽ そいえば、エロゲなんかだと、評価の高い作品があった場合、その作品はともかく、次回作の売上が伸びる、みたいな話があるけれど、ライトノベルではそういう話をまず聞かないのは、どうしてなんだろう? 出版社側が作家のブランド戦略を意識してないせい? それとも読者のリテラシーが低いため?

▽ いや、売上がいい=評価が高い証拠、という人がいるけれど、購入したあとに読むという時系列の関係上、特に発売直後の初速に売上が集中するオタクコンテンツの場合は、売上がいい=パッケージの魅力&広告&過去作品の評価、というのが正解だと思うのだけど、ライトノベルの場合は、売上への寄与の多くがイラストを中心にしたパッケージの魅力に依存するのはなんでだろ、と思ったり思わなかったり

上記を受けて

エロゲではヒット作の次回作の売り上げが伸びるけれど、ラノベの場合はそういう話をまず聞かない(REVの日記)

後半が正解だと私も思います。
なんていうか、同じ作者の、絵師が違う別シリーズは、同じブランドの違う絵師の作品、みたいな受け止められかたなんじゃないかな。

うーん、ラノベではあんまり作家買いってされてないんじゃないかしら。というか、作家の名前を覚えてないんじゃないかと。

単にビジネスとしてライトノベルを見た報道が少ないだけかと(少年少女科学倶楽部)

それは単にビジネスとしてライトノベルを見た報道が少ないだけかと。

例えば日経のハルヒインタビューでもスニーカーの編集長のコメントとして「波及効果があった」って載ってましたし。

確かにエロゲではPCnewsとかで実売本数が掴めますが、ライトノベルではランキングのみなので相対的な売り上げはわかっても実売冊数は不明ですね。
後半の編集長のコメントはスニーカー文庫全体への売り上げの波及についてなので、いちせさんの言ってるのとは違うかと。

REVの日記からの波及
エロゲではヒット作の次回作の売り上げが伸びる?

伸びた例
君が望む永遠マブラヴ
はにはにけよりな
姉、ちゃんと恋しようよ→つよきす
などなどなど。きりがないっす。

そーでもない例
ボーイミーツガール→ジブリール2
いちゃもんのレベル。実質別ラインだし。売れたエロゲが良いエロゲじゃないし難しいかなあ。
結局何を信じてエロゲを買ってるかですよね。ブランドか、絵か、ライターか、などなど

続編のジブリール2は元々不利。ジブリール未プレイのユーザは手が出しにくい。まぁ実際には同じキャラが出てる程度でほとんどつながりはないけど。

アリスはスタッフよりシリーズで売上が決まる印象。戯画はスタッフ依存?エロゲは全体的にはブランドへの依存度が高いと思ってます。

アリスソフトの場合、製作ラインは4本程度で実質ディレクターとシナリオライターのみで発売半年前にタイトル決定。シナリオが書き終わると(3〜4ヶ月前)、原画家がやって来て、原画が終わる(2〜3ヶ月前)と塗り師がわらわらとやって来て仕上げ。で1ヶ月前に完成。みんな手が空かないように回してるんでどのラインでも品質は変わらない。結局売り上げはテーマとシステムに依存するってことかな。
普通のソフトハウスだとこうはいかない。絵師が原案だったりして製作ラインごとにスタッフが固定されてしまう罠。
戯画は旧エニックスみたいなパブリッシャーの印象が。チームバルドヘッドと丸戸+ねこにゃん作品以外は地雷だと思ってます(w

結局のところ、エロゲは発売時に完結しているって点が大きく違うかなと。1本でも出せばブランドのイメージが良かれ悪かれ形成されてしまう。
一方、ラノベは読みきり作品が少ないんで、小さなヒット作が生まれづらく、作家のブランドが形成される前にシリーズ打ち切りという形になりがちで、次回作へと期待を繋げられないんじゃないかと思います。
この点で成功しているのは清水マリコとかでしょうか。逆に竹ゆゆは打ち切られて仕切りなおしたのが正解だったかも。
またエロゲに比べるとラノベの市場はまだまだニッチ化していない点も大きいかな。
他には、エロゲユーザは結構保守的で既視的な作品を求めるのに対し、ラノベのほうでは未知のものを求められるとか。