黄色い花の紅

黄色い花の紅(あか)
著:アサウラ/イラスト:Bou
発行:スーパーダッシュ文庫集英社
ISBN:4086303167
評価:★★★★


自衛手段として銃の所持が認められ、法の秩序が変化した日本。工藤商会の白石奈美恵は府津羅組の以来を受け、組長の令嬢・紅花を救助に向かう。そこで遭遇したのは、異様な仮面をつけた大男だった。壮絶な闘争が続く中、必死に紅花を守る奈美恵。その渦中にありながらただ守られるだけの紅花は、次第に自らも「力」を欲するようになる…。銃を手にした紅花の未来を待つものは!?第5回SD新人賞大賞受賞作!

うん、確かに新人プロジェクトの中ではずば抜けて文章が上手いですね。大賞をとるのも最もだと思います。ハンドガンについての薀蓄はちょっと鼻につきますけれど、ハンドガンのことはある程度分かるんでバトルシーンも面白かったし、紅花の成長モノとしても楽しめました。ただ話に華を感じることが出来なかったのが残念です。派手なガンアクションではなく、ただひたすら銃撃戦ですからね。ハンドガンでは互いに視認できるくらいの近距離戦にしかなりませんし、精密射撃も出来ないですし、絵面がどうしてもVシネばりに地味になってしまうのは否めないなぁ。それにスコーピオンもラスボスの得物ではないと思います。てっきりデザートイーグルを持ってくるかと思ってたのに。
登場する火器は現行のモデルに合わせたのか、メジャーなガバやパイソンやUZIは出てきませんね(薀蓄としては登場しますが)。ただそれにしてはラストがAK74ではなく、AK47(or AKM)なのが不思議なところ。
個人的には9mmパラベラム弾が飛び交うよりも、ウインチェスターをスピンローディングさせたり、2丁拳銃を全弾1人に叩き込んだり、無意味に派手なガンアクションの方がスキですね。あ、スナイパーの話とかもいいかも。けどライトノベルでは無理かな。