狼と香辛料(3)

狼と香辛料 3
著:支倉凍砂/イラスト:文倉十
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840235880
評価:★★★★★


教会都市リュビンハイゲンを出立した行商人ロレンスと狼神ホロ。行商が寺ホロの故郷ヨイツの情報を集めるため、冬の大市と祭りで賑わう町クメルスンにやってきた。そこで二人は、若い魚商人アマーティに出会う。
どうやらアマーティはホロに一目惚れをしてしまったらしい。急速に彼女に近づき始めた。一方ロレンスとホロの間には微妙な気持ちのすれ違いが生じ、誤解が誤解を呼んでしまう。そしてそれがロレンスとアマーティそれぞれの商売をも巻き込んだ大騒動へと発展していく−。
第12回電撃小説大賞<銀賞>受賞作第3弾。

シリーズで一番の傑作だと思います。
ホロは変わらずいつも通り魅力的で、相変わらずロレンスは手玉に取られっぱなし。
今回は今まであまり生きていなかった行商人という設定が生かされていたのが大きなプラスポイント。今まで旅の途中の寂しさを見せることはありましたが、今回は町商人との商売の考え方の違いとかをはっきり出してきましたね。
あと、なんだかんだで今までは力ずくの解決になってしまっていましたが、今作ではちゃんと商売でカタをつけたのも好印象。ラストの競り合いは映画「大逆転」のクライマックスを思い出しました。(いや競り合いの状況だけなんですけどね)