十三番目のアリス

十三番目のアリス
著:伏見つかさ/イラスト:シコルスキー
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840235155
評価:★★☆


傲岸不遜な気質で知られる九条院アリスは、みずから「冷嬢の心得」を定め理想的なお嬢様を目指す十四歳。十五歳の誕生日を間近に控えたある日、アリスの前に彼女を「十三番目(サーティーンス)」と呼ぶ謎の少女が現われる。「私は三番目よ。貴女が眠らせている力を暴き出してあげるために来たの」平穏な学園生活を謳歌していたアリスに、突如訪れた過酷な試練。そして彼女に隠された秘密とは―!?誇り高くて意地悪でワガママで、でも、ちょっぴり優しくて…そんなお嬢様・アリスが巻き起こす“ハイ・ゴシックアクション”、ここに開幕。

どうにも読みづらい。中盤まで読むのに普段の倍ぐらいの時間がかかってしまいました。自分だけかと思ってたら「bookonilnes.online.net」のdeltazuluさんも同じように感じたらしいので、やっぱり文章のテンポや演出に問題があるんでしょう。あと設定上の謎が多すぎるところかな。登場人物も分かっていない、どうでもいいような謎設定が山盛りなんで、さらに理解するのに障害となっている気がします。
主人公は翠星石香坂アリスを足して5で割ったような安易なキャラですし、そこかしこにパクリネタがちらほらと。それも切り張りのように出てきて、あまりオリジナリティを感じさせてくれず、また、同時代性というのを上手く扱えていない感じ。王道を目指すのはむしろ好ましいくらいのだけど、捻りが足りなさ過ぎ、シンプルな構成の分、逃げ場がなくて苦しい。普段はライトノベルって無駄なキャラが多すぎと感じているのですが、この作品に関しては、珍しくキャラが足りないと思いました。せめて味方側にもう1キャラ欲しいところ。12thとラミアは合わせて1キャラとかにした方がよかったのかな。

ところで、「敗北する要素は一厘も無い」ってのは梅原大吾の「負ける要素は無い」だと思うんですが、どうでしょう?