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フォルカー・ボーネット フリッツ・ヴェッパー ミヒャエル・ヒンツ
アイ・ヴィー・シー 2002-06-25

by G-Tools

戦争を題材とした映画で最も気に入っている一本です。1954年西ドイツで製作された白黒映画です。最初に見たのはNHK教育で放映されていた*1のをたまたま見かけたのですが、その後も強く記憶に残っていたため、DVDを発見して即座に購入しました。
一般的には反戦映画なんだと思うんですが、戦争反対ということよりももっと根源的に大切なものが描き出されている気がしてなりません。少年達が故郷を守るため、銃を取ったのは間違いだったのでしょうか?軍が志願してきた少年たちを最も敵が戦略的な価値のない橋の守備に回したのは間違いだったのでしょうか?武器を捨てて降伏しろという老人に従わなかったのは間違いだったのでしょうか?相手は言葉も通じない外国人です、その軍隊が故郷を占領しても無抵抗でいれば何もされないというのはあまりに楽観的過ぎないでしょうか?
そして最後に流れるテロップ。それを読んだ瞬間、今まで見てきたものの意味はなんだったのか、空しさと寂しさを強く覚えました。
最近の戦争映画のような特殊効果や派手なアクションなどは一切ありませんが、それらよりもはるかに心を動かされます。価格は少々高めですがお勧めの一本です。

*1:同時期に中国映画「正義の行方」も放映されたのですが、こちらはパッケージングされていない模様。こちらもとても考えされられる映画なのでお勧めです