天槍の下のバシレイス1 まれびとの棺<上>


著者:伊都工平/イラスト:瑚澄遊智
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840228396
評価:★★

 世界中に突如出現した『塔』と巨大生物群。その存在により日本は広大な無人地域を挟み、東西に分断されていた。
 2018年、東日本にいた十五歳の川中島敦樹は、軍の観測隊に選抜され『塔』を目指す。しかし率いた隊は『当初の予定通り』全滅。敦樹だけが西日本東部辺境である南兵庫へと逃れた。1960年代まで市民の生活水準が後退したその土地で、敦樹は学校に通いながら防災団の一員として活動を始める。同級生でもある仲間たちと、やがて人類再起へ向けた戦いの一翼を担うために――。
 『電撃hp』誌上に掲載された「まれびとの棺」前半に、書き下ろし二編を加え、新シリーズ、いよいよスタート。

前シリーズの「第61魔法分隊」は2巻で話が解らなくなって投げ出していましたが、新シリーズと言うことで手を出してみました。話自体は、少年少女の戦闘のある日常という、悪くないテーマだと思いますが、なにせ同じ月に「ガンパレード・マーチ」が出ているもので、読み比べてしまうとやはりこちらの方がいまいち。まずタイトルの意味がさっぱり分かりません。というか覚えられないし。連載時は「まれびとの棺」で、まあなんとなく意味はわかるのですが、どうしてタイトルを変更する必要があったのでしょうか?あと、キャラの幅が狭すぎ。防災団のメンバーを主体に描くなら、「E.G.コンバット」のように、メンバーのみの環境に徹底的に追いやるべきだし、全体の広がりを出すには、キャラの中心が女子のクラスメートばかり。もっとキャラの幅を広げて欲しいところ。書き下ろしが春瀬史郎か白井先生の話なら、印象はもう少しよかったと思うのだけど。