想いはいつも線香花火


著者:一色銀河/イラスト:Yui
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:484022837X
評価:★★


炎術使い御火速霊流の宗家に生まれながら炎術を使えない優夜が、修行の先に送り込まれたのは三人の姉妹が暮らす高倉家。これはおいしいシチュエーションかと思いきや、優夜の師匠となる長女の彩雲はヤンキーであがり、三女の美風は端から優夜に冷たく、唯一友好的なのは次女の美空だけ。それでもめげない優夜は、エッチな妄想を膨らませながら、今日も修行に励むのだった……。
 第6回電撃ゲーム小説大賞<銀賞>受賞作家が放つラブ(?)コメディ。男子ごころをくすぐります。

前作の「若草野球部狂想曲」は非常に好きだったんですが、今回はちょっといまいちな感じ。「若草」では野球をテーマにした「スポ根小説」という珍しい切り口を見せてくれたのだが、今作では現代ファンタジーな霊術、三姉妹に、居候する主人公といったありきたりなものになってしまっている。キャラも次女、三女は「若草」のヒロインとかぶっているし。なんか全体的に盛り上がらないという印象。多分続くのだろうが、相当なてこ入れが必要だと思う。
それにしても、最近の電撃文庫は口絵カラーページが大分増えている。マンガの体裁を取るものも多くなっているし。イラストレイターの活躍の場が広がるのはうれしい限り。あとがきもなるべく書いて欲しい。