ROOM NO.1301 #3 同居人はロマンティック?


著者:新井輝/イラスト:さっち
発行:富士見ミステリー文庫富士見書房
ISBN:4829162686
評価:★★★★☆


海に行きたいと言い出したのは、彼女の方だった。お弁当を作ってくるから食べてくださいねと言ったのも彼女だ。そういえば、つき合ってくださいと言われたのも彼女の方からだったかも。
 あれ!?これで、い、い、のかな?
 健一は思った。
 クラスメイトの大海千夜子と初々しく過ごす夏休み。ぎこちない距離感で揺れる彼と彼女の関係は、行きつ戻りつだった―。
 が。
 存在しないマンションの13階に住むHをしないと眠れない少女・冴子との関係は、非常に気持ちいいかんじだったり。芸術家の不思議少女・綾は、独自の方向性にぶっ飛びはじめたり。ますます健一の恋や愛への疑問は深まっていく。
 普通の17歳健一のややこしくなる日常を淡々と描く、少し切なく可笑しな探求の物語、第三弾!

新井輝は過去に読んだ「ルーンウルフ」シリーズや、「恋愛極刑ハイスクール」などが全く肌に合わなかったので敬遠していたが、各所で話題になってたので読んでみたら、かなりはまった。本番シーンがあるライトノベルとして知られているが、「デビル17」なんかに比べれば、シーンの必要性、展開の巧みさはこちらの方が全然レベルが高い。
「描きかけのラブレター」といい、富士見ミステリー文庫の恋愛モノは結構レベルが高そうだ。