叙述と描写

叙述と描写 - 書籍編集者の裏ブログ

大切なところをしっかり描写し、そうでないところは、かっちりと叙述で運ぶ。この緩急の呼吸は、非常に大切である。実際、小説を読むときに、意識して読んでみると、いい小説は、やはり、この呼吸がよいことがよくわかるはずだ。

いや、もう最近読んだ本に突っ込みたいところは全て言い表わされている。まさしくその通り。ましてライトノベルなんか勢いに任せて読ませる部分が大きいんで、この辺が下手なのは読むのもつらい。

ハルヒのアニメ第二期について

結局ちゃんと見ていなかったけど、全話取ってあるんで、そのうち時間をとってまとめてみる予定。まぁ、周囲の反応を見るに最後まで良作のまま終わってらしいんでさすがは京アニか。
で、第二期希望と言ってる人は多いんだが、そう思うならDVDを全巻購入しろと言っとく。いまさらながら、深夜アニメのビジネスモデルは崩壊しつつあるけど、結局はDVDの売り上げで儲けてる。ハルヒの場合はアニメ化により小説は100万部以上の増刷があり、角川としては札束を印刷してる状態だったはずで、全体としては大儲けしている(アニメの制作費は軽く出せるぐらいに)が、所詮儲かったのは小説のみで、アニメの売り上げは1巻は売れたようだけどまだまだ。ましてアニメ第二期を製作したところで、第一期のような原作の大幅売り上げアップは見込めないわけで、DVD単体での売り上げをきちんと出しておく必要がある。
アニメを楽しんだ原作ファンは多かったと思うが、ライトノベル読者に対してどれだけDVDが売れるやら。
と考えるとやっぱりシャナの映画化はかなり無謀な。なんといっても新刊が空きすぎている状態なんで、映画公開の頃にアクティブな読者がどれだけ残っているんだろうか。

乃木坂春香の秘密(4)

乃木坂春香の秘密 4
著:五十嵐雄策/イラスト:しゃあ
発行:電撃文庫メディアワークス
ISBN:4840234477
評価:★★☆


容姿端麗で才色兼備、『白銀の星屑』という二つ名まで持つ超お嬢様、乃木坂春香。彼女を縛っていた例の秘密は『俺と春香の二人だけの秘密』にランクアップし、あとは毎日楽しく過ごせれば……などと思っていた矢先、事件は起こった。
 あの椎菜が俺のクラスに転校してきて、一緒に文化祭実行委員までやることになり、さらにクラスの出し物は誰の意見か知らんがコスプレ喫茶に決定し、かなり先行き不安な展開に。それでも春香と衣装を選びつつ(まさか試着室であんなことになると思わなかったがな)、春香もやる気満々なので、あとは文化祭に向けて尽力するのみ……のはずが、仕事のせいで春香と話す時間も少なくなり−。
 お嬢様のシークレットラブコメ第四弾

つぎの電撃のアニメ化はコレだろうと思っていたんですが、思わず土がついてしまった感じ。まぁ、まだ4巻で話も終わる気配を見せてないんで難しいといえば難しいんですが、他の作品よりアニメ化のしやすさはダントツだと思うんで。ましてマルチメディア展開あたりを考えるとコレがベストだと思うんですけどね。
このシリーズはどんなにキャラが出てきても、全体として裕人と春香から話の中心がぶれない辺りがポイントなんだと思ってましたが(短編一本ぐらいは割り振りますが)、それが思いっきり今巻ではマイナス方向に。元々恋愛関係で積極的に動くキャラではない上に、椎菜側の描写も薄いせいでかなり物足りない感じ。せっかくの三角関係もコレで終わっちゃいそうな雰囲気でもったいなさすぎ。椎菜にはもっと積極的なアプローチ及び外部からの支援が必要です。それでもう一冊ぐらい書いてくれれば問題なし。この辺がシリーズの締めになるかとも思ってたんですが、この調子だとラスボスはやはり美夏なのかな。